CuCr1Zr C18150

C18150 と C18200 はどちらも銅-クロム-ジルコニウム合金で、高強度、導電性、耐食性が重要な産業用途で一般的に使用されています。 C18150 と C18200 には合金組成による類似点がありますが、特定の用途や性能特性に影響を与える重要な違いがあります。

合金組成

C18150:

  • 銅(Cu): 約97.5%以上
  • クロム(Cr): 0.50-1.50%
  • ジルコニウム(Zr): 0.10-0.50%
  • その他の要素: 鉄 (Fe) やリン (P) などの他の元素が少量存在する場合があります。

C18200:

  • 銅(Cu): 約96.0%以上
  • クロム(Cr): 1.20~2.00%
  • ジルコニウム(Zr): 0.10~0.60%
  • その他の要素: 鉄 (Fe) やリン (P) などの他の元素が少量存在する場合があります。

主な違い

1. クロム含有量:

  • C18150: 0.50~1.50%のクロムが含まれています。
  • C18200: 1.20~2.00%のクロムが含まれています。

C18200 のクロム含有量が高いと (C18150 と比較して)、一般に強度と硬度が向上し、さらに耐腐食性と耐摩耗性も向上します。このため、C18200 は、より高い機械的特性と優れた耐食性が必要とされる用途に適しています。

2. 電気伝導率:

  • C18150: クロム含有量が低いため、通常、C18200 と比較して導電率がわずかに高くなります。このため、C18150 は、電気接点や導電性コンポーネントなど、高い導電性が重要な用途に適しています。

3. 機械的特性:

  • C18200: クロム含有量が高いため、C18200 は C18150 に比べて強度と硬度が高くなる傾向があります。このため、C18200 は、溶接電極、抵抗溶接部品、金型インサートなど、良好な機械的特性が必要な用途により適しています。

4. 熱伝導率:

  • どちらの合金も、銅合金の典型的な特性である良好な熱伝導率を備えています。クロムとジルコニウムの添加は純銅と比較して熱伝導率に大きな影響を与えないため、これらの合金は効率的な熱伝達が必要な用途に適しています。

アプリケーション

C18150:

  • 電気接点: C18150 は、導電率が高く、高温での軟化に対する耐性が優れているため、電気接点、コネクタ、端子に一般的に使用されています。
  • 溶接電極: C18150 は耐熱性と耐摩耗性に優れているため、溶接電極やその他の抵抗溶接部品に適しています。
  • 金型インサート: 射出成形用途では、C18150 は良好な熱伝導性と耐摩耗性が必要な金型インサートに使用されます。

C18200:

  • 抵抗溶接部品: C18200 は、強度と硬度が高いため、抵抗溶接部品、電極、チップに最適です。
  • プラスチック成形品: C18200 は、その硬度と耐摩耗性が利点となるプラスチック射出成形金型に使用されます。
  • 熱交換器プレート: C18200は耐食性と熱伝導率が高いため、熱交換器のプレートやフィンに適しています。

性能特性

  • 耐食性: C18150 と C18200 は両方とも、さまざまな産業環境での使用に不可欠な優れた耐腐食性を示します。
  • 機械加工性: 銅-クロム-ジルコニウム合金は一般に機械加工が可能で、複雑な形状や部品の製造が可能です。
  • 溶接性: これらの合金は、銅合金に適した標準的な溶接技術を使用して溶接できます。

結論

結論として、C18150 と C18200 は両方とも同様の産業用途で使用される銅-クロム-ジルコニウム合金ですが、その特定の組成と特性により、さまざまな種類の用途に適しています。クロム含有量が高い C18200 は、導電率がわずかに高い C18150 と比較して優れた強度と硬度を備えています。これらの合金の選択は、機械的強度、導電性、耐食性、熱特性などの用途の特定の要件によって異なります。これらの違いを理解することで、エンジニアや設計者は、それぞれの用途で最適な性能と寿命を実現するために最も適切な合金を選択できるようになります。